「なぜ」を突き止める治療
多くの歯科医が予防の大切さを説き、虫歯や歯周病にならないためのブラッシングやメインテナンスを診療科目にしています。しかし私が考える「病気にならないための治療」とは、一言でいえば「なぜ」を突き止めることに他なりません。
たとえば風邪をひいたとき、風邪薬を飲めば咳やくしゃみは収まり、熱も下がるかもしれません。けれども、それだけでは薬を止めればまた同じ症状がぶり返してしまうでしょう。
それは、なぜ風邪をひいたのか、その原因を突き止めずに症状だけを抑えたにすぎないからです。
歯科でも同じことが言えるのです。なぜ、歯が痛むようになったのか。なぜ、ものが噛めなくなったのか。その原因を解決しなければ根本的な治療にはならないと、私は考えます。
来院された患者様は、よく同じ質問をなさいます。
- 虫歯をすぐに治療しない理由
- たしかに、患者様の焦る気持ちは分かります。少しでも早く虫歯になって黒く侵された部分を削り取ってほしいことでしょう。しかし、虫歯部分を削ってしまえばそれでいいという訳ではではありません。
お口の中の環境がなるべくいい状態で、少しは時間がかかっても将来のことをきちんと考え、ふたたび虫歯にならないよう予防をしながら治していくべきだと考えます。歯は、一生涯にわたって使っていくものです。その長さを考えれば、治療のために1〜2日くらい余分にかかったとしても、なんでもないことなのではないでしょうか。
病はお口から
人の健康はお口から始まっています。当院ではお口の健康状態を維持することが、身体全体の健康を保つことに繋がるという考えから治療を行っております。齲蝕(虫歯)、歯周病はすべて細菌が原因です。それは口腔を介して全身へと感染します。お口の健康を維持することはとても大切なのです。虫歯にならないよう、歯周病にならないようにと心がけて毎日しているブラッシングには、もっと深い意味があるといえるでしょう。
お口の健康から身体の健康へ
ご存じの通り虫歯は細菌感染です。虫歯をつくる細菌が出す毒素が歯を溶かしていきます。身体の内部で起きている現象は良いものであれ悪いものであれ、必ず健康状態としてあらわれてきます。あらゆる物の入口となるお口から、全身におよぶ病気の予防と健康維持を目指しましょう。
歯みがきのタイミング
食事をした後にこまめに歯をみがくことが大切ですが、どのようなタイミングでみがけばよいのでしょうか。人によって、状況によって、さまざまなタイミングがあると思いますが、まずは自分の過ごしている時間の中で、2〜3分だけ洗面所に向かえるタイミングを探してみましょう。
たとえばオフィスでのランチの後、化粧直しやトイレに入ったときのタイミング。あるいはおやつを食べた後、お手洗いに行くタイミング。家庭にいるときならば、テレビのCMが始まったタイミング。ちょっとしたタイミングを使って食べた後に歯みがきをすることは、誰にでも可能なことではないでしょうか。
食後30分以内に歯みがきをすることができれば、素晴らしいと思います。
また、出かけるときにはいつも歯ブラシを携帯するように心がけ、いつでもどこでも歯みがきをすることを習慣化させられれば良いと思います。
反対に食後、満腹になってそのまま寝てしまうという習慣は、非常によくありません。夢見心地で眠っている間に、お口の中では食べカスが発酵しはじめ、納豆のような状態になっています。そして納豆と同じように、口臭や歯周病、虫歯のもとになるネバネバした物質が作り始められます。そのようなことにならないよう、ご注意ください。
口腔内科と言う観点で
当院では、口腔内科の観点から全身にわたる健康の評価をして多くの疾病を予防することを目標にしております。口元からはじまる全身の健康をモットーに、皆さまの笑顔をサポートさせていただきます。
口腔内科があつかう主な疾患
- 歯周疾患
- う蝕歯(虫歯)
- 口腔粘膜疾患
- 口腔腫瘍
- 口腔乾燥症
- 顎関節疾患
- 加齢に伴う変化
- 唾液腺疾患
- 口腔顎顔面領域に生じる変形
- 外傷
- 嚢胞
- 口腔顔面領域の神経疾患
- 口臭
- 味覚障害
- 舌痛症
- 顎顔面領域の神経性疼痛/麻痺